「広報委員が行く!会社訪問」第24回は、報道からバラエティーまで制作し、国際部に文化事業と活躍の場を広げる「株式会社トップシーン」の新井正明社長を訪問。
会社を拡大していく新井社長の経営方針と人となりに迫ってみました!
「広報委員が行く!会社訪問」第24回は、報道からバラエティーまで制作し、国際部に文化事業と活躍の場を広げる「株式会社トップシーン」の新井正明社長を訪問。
会社を拡大していく新井社長の経営方針と人となりに迫ってみました!
Q.とても綺麗なオフィスですが、会社を設立されたのは、いつですか? 会社設立は1988年5月6日です。昭和の最後ですね。(昭和63年) 昭和64年はイコール平成元年ですからね。
Q.会社名の由来は? ‘出会いを大切にしよう’ということで考えたのが「ファーストシーン」ですけど、
ここで「株式会社トップシーン」の会社概要をまとめて紹介。
Q.たくさんの番組を制作してされてますけど、最近面白かった番組は? 最近で結構、好評だったのは、NHK Eテレの「ハートネットTV」(2月24日放送)です。 実際は1年かかっている作品で、経営のことを考えると儲けなどない作品なんですど、 でもそのディレクターが他のプロデュース業務として仕事をちゃんと引っ張ってきましたから。 あとは、NHK総合の「プロジェクトQ」という番組が最近のおすすめです。
Q.それではここで、新井社長のテレビマン人生を探っていきたいと思いますけど、 この業界って「なんか面白そうだな」とかっていう「好奇心」ですかね。 で、じゃあこの業界の面白さってなんなのと言いましたら、テレビだからまぁ総理大臣にも会えますし路上生活者だって会うことができます。人がいないところにも行けます。そういう魅力はあるんですよね。
Q.そして最初に入られた会社は? 今から38年、39年前は制作会社が数える程しかなくて、当時、イニシャルだけでいうと“N”っていう会社がありまして、大学の先輩がたくさんいて、そこの試験を受けたんです。同じ大学から10人ぐらい受けて、半分ぐらい合格しました!1年後に残ったのは私だけだったと思います。
Q.ADとして最初に携わった番組は? 最初の番組は覚えてませんけど、当時は各局歌番組やってまして、「圓歌の歌謡道場」とかって番組やってましたね。三遊亭圓歌さんね。あと関口宏さんを司会として最初に起用した「関口宏のオォ!笑歌」っていう番組とかですね。 そして、あのピンクレディーがそのあと売れてきたんですよ。「走れ!ピンク・レディー」とか ドラマで「気になる季節」とかですね。この番組は、ドラマのセットがパーってかみしもに割れて、 ポンっとクロマキーになってピンクレディーが歌ったりしましてね。おヒョイさん(藤村俊二さん)が 営むモータースの二人娘という設定でしたね。
その後、新井社長は、27歳の時、日本テレビ「はやおき健康教室」でディレクターデビュー。
Q.新井社長は、硬い番組から柔らかい番組までジャンルは問わなかったんですか? 私の理屈の中にあるのは、好きなジャンルなどは最初から作る必要はなくて、得意だと言っても、誰も認めてくれません。つまり、間口は広くしといたほう方がいいわけです。それで、フリーなんてのはですね、「なんでも得意です」って顔してやらなくちゃいけないですから。 だから私はドラマも撮れますし極論言えば。バラエティも撮れるし、科学技術番組だって撮れます。私は、当時ゴルフをやらないにも関わらずゴルフ番組撮ってましたからね!テレ東「ハンク・ヘイニーのフラット打法」とかですね。あの頃、そんな私が平気でアメリカまで行って戸張捷さんとかと番組作ってましたから。
えすとに入って6~7年が経った頃、フリーになる決断をした!
Q.フリーになる時の心境は? やっぱり稼ぎたいじゃないですか。テレビ局の社員のように。私たちだってテレビ局受けられたわけだし、能力あれば入れたはずです。でも実を言うとですね、私たちの歳の頃ってテレビ局が人材募集をしてなかったんです。5、6年もの間。オイルショックの後でしたから当時、一般職は募集してないんです。 だから私たちは不幸だと思うでしょ?でも、万事塞翁が馬で、私たちの世代がいませんでしたから テレビ局の人に逆に可愛がってもらえたんです。私たちの年代のディレクターってのはテレビ局にもいないんですね。だから重宝がられましたね。いい時代でした。 でも、やっぱり「稼ぎたい」という思いからフリーになろうと決意しました。でも急に辞めるとは言わずに「私は将来独立します」っていうのを3、4年かけてフリーになりましたね。
そして、1年半程のフリーを経て、ついにトップシーン設立へ。
Q.トップシーン立ち上げ当時の話を聞かせていただけますか? 私も含め男3人で最初、会社を立ち上げたんです。そのうちの一人がやっぱり経理がいた方がいいって言うので、女子を1名経理として採用。実を言えば、その女子が可愛くて会社に入って欲しかっただけなんですけどね。
Q.すぐ仕事はあったんですか? フリーの時はいくつか番組抱えてましたから。テレ東「猪瀬直樹の男のBEタイム」とか、テレ東「テクノピア」とかですね。
Q.トップシーンがその後、大きくなるターニングポイントなどありましたか? やはり番組がきっかけですね。日テレでみのもんたさんがブレイクする前に日テレ「みのもんたの世渡りジョーズ!!」って番組を制作していたんですよ。その番組で結構ディレクターが育ったんですよ。やっぱり、制作会社はディレクターが宝ですからね。
Q.経営者としての苦労や極意は? これまで一回も赤字を出していませんからね!
そして、もうひとつトップシーンの経営のリスクヘッジとなるのが国際部、文化事業部、SP事業部の存在。 Q.制作会社には珍しい部署ですが、国際部とはどんな仕事をされるんですか? 国際部は、特に東アジアの中国、韓国、台湾、香港・・・北朝鮮もあり、あとタイですね、 そういうアジア諸国の番組のコーディネートがメインですが、各局さんから高い評価を受けております。 また、文化事業部はクラシックをはじめとして、幅広いジャンルのコンサートを全国で手掛けております。
その他、SP事業部では、大企業の運動会を東京ドームを借りて行っているトップシーンさん。 Q.ズバリ、会社の強みは? うちの会社の強みは、どこの局ともまんべんなく取引できているところです。 もう一つは、ドキュメンタリーからバラエティまでやっているところですかね。 トップシーンは何が得意かと聞かれましたら、 どんなジャンルでも得意と言いたいところですが 特化したものがあってもいいんじゃないかと思うところはもありますね。
Q.経営者として心掛けていることは? 制作会社のオヤジっていうのは、経営感覚のあるディレクター・ディレクター感覚のある経営者じゃないと いけないと思いますね。私が制作に走ると経営がついてこなくなる、 私が経営に走ると社員がついてこないですよね。 その辺のバランスが大切なんですよね。
Q.大切にしている言葉は? 最近は「絆」とか「おもてなし」っていう言葉が安っぽく感じますね。 だから・・・ やっぱり「愛」でしょ!愛っていうのは人類愛だよ。師弟愛でありね。 でも、それもそうやっていうと何か安っぽいですね。言葉にしますとね。
Q.社員に求めてることは? もっともっと精鋭集団にしたいですね。 でも、集団っていうのは、ダメなやつばっかり集めてもこの中で誰かが気づいて 「このままじゃいかん」って思う者が出てくるんですよね。 精鋭を集めたって落ちこぼれって出てきます。組織論としてね。
では、ここで、社員の方にお話しを伺いました。 社員から見て、どんな会社でどんな社長さんなんでしょう?
Q.入社してどれくらいで、今、どのようなお仕事を? 社長と同じく、「えすと」という会社に6~7年在籍して、ディレクターになりましてトップシーンに。実は一回、外に出て出戻りしてから11年ですね。 私の仕事は番組というよりは、企業VPが多いですね。
Q.松尾さんから見て、社長の人となりを教えてください。 まぁ、見た目が恐くて、口が悪いですけど心は優しくて男気がある感じですかね。あと、社長という立場で結構、会社全体、新人のADまでをちゃんと見られてケアされてるなというのは感じます。あと、新井社長もADからディレクター、プロデューサー、社長にとADから経験されているので 制作現場のADの立場だったりディレクターの立場だったりっていうのもわかってくれてます。 予算がない中でもディレクターのやり易いカメラマンを使っていいって言ってくれます。
Q.松尾さんにとって、トップシーンとはどんな会社ですか? 今の場所に引っ越す前の前の事務所の頃っていうのは当時15人くらいだったんです。それから20年ぐらい経つんですけど、70、80人くらいいると思うんです。そういう意味ではデカくなっちゃったなぁと思います。部署もいくつかありまして、これだけの人数になると縦割りっぽくなってしまんですけど、それを新井社長がちゃんとまとめてくれてるんです。安心してついていける会社です。
Q.最後に社長に望むことは? 今までのままでいいと思います。 オヤジギャクはキャラなのでそのままでいいです(笑) 僕ら世代は大丈夫です。
社員さんのお話を聞いている時、恥ずかしいからと席を外した新井社長。その行先は…窓際の水槽の前。
そこで最後の質問!
Q.そこで何されてるんですか? 魚を飼ってるんですよ!メダカとタナゴ。かわいいでしょ。増えたらあげますよ。
いろいろ貴重なお話ありがとうございました。
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新井社長には、普段からお世話になっていますので、忌憚なく話して頂きました。 昔の業界人の豪快さが残る社長。その豪快さの中に経営者としての慎重さと したたかさ。そしてグローバルな視野でのビジネス展開と。成長を続けるトップシーンの 力強さのわけが今回、よくわかりました。そしてメダカとタナゴとスタッフを愛してやまない 優しさが伝わる1日でした。さらなる発展を期待しております。
インタビュアー:広報委員 (株)NX 中山 維夫
写真撮影:広報委員 WACホールディング(株) 岡村 宇之
(2014年5月取材)