「広報委員が行く!会社訪問」第18回は、誰もが知る人気歌手やタレントを数多く抱え、歌謡界や芸能界をリードしてきた「株式会社アップフロントグループ」の瀬戸由紀男社長を訪ね、 「どういう会社なのか」、そしてまた「社長の人となり」までお伺いします。
「広報委員が行く!会社訪問」第18回は、誰もが知る人気歌手やタレントを数多く抱え、歌謡界や芸能界をリードしてきた「株式会社アップフロントグループ」の瀬戸由紀男社長を訪ね、 「どういう会社なのか」、そしてまた「社長の人となり」までお伺いします。
それでは東麻布にある、株式会社アップフロントグループに、早速お邪魔しました。 ――では、インタビューを始めさせて頂きます。
Q.まず、会社の概要についてですが、タレントプロダクションとして設立されたのは? 設立は1983年。今月でちょうど30周年を迎えました。 Q.そうなんですね、30年の節目を迎えられ、おめでとうございます。 それではここで「株式会社アップフロントグループ」の概要を―
Q.これだけ大きな組織をまとめるために、コミュニケーションの円滑化を含めて、 社内で何か特徴的にやっていることを教えてください。 グループ全体で24社あるんですけど、このビルの中に、だいたい集約されているんですね。 仕事をするに当たって、例えばレコード会社はプロダクションと、常にコミュニケーションをとらないといけないし、プロダクションはファンクラブやコンサートの制作会社などともコミュニケーションをとらないといけない。 そして、参拝後の新年会は、強要しているわけじゃありませんが、好きな人たちが集まって…みたいな。ただ、だいたいの社員は参加していますね。
ここで、社長について伺いたいのですが―― Q.社長自身のキャリアについてお教えください。 今から34年前に、当時の「ワーナーパイオニア」にアルバイトで採用されて、そのまま社員となり、制作畑、いわゆるディレクターとして働き、16年ぐらいしてから「アップフロント」に移って、今に至ります。
Q.具体的には、どんな歌手の方を担当されましたか? 若いときに、がんばって結果が出せたなと思うのは、ラテンピアニストの松岡直也さんですね。 それとほぼ同時期に、矢沢永吉がワーナーに移籍してきて、彼が東芝に移籍するまでの間、ずっと担当していました。あとは森高千里。それ以外にもたくさんの方のレコード制作に関わりました。 アップフロントに来てからはディレクターを2~3年しかやってないんですけど、その間にシャ乱Qなど、アップフロント所属のアーティストを担当しました。
Q.例えば、どんな楽曲を担当されましたか? 矢沢さんは、ワーナーに移籍してきて1年もたたないうちに、アメリカ進出をするんですね。ロサンゼルスを中心にレコーディングをして、アメリカのアルバム、シングルを発売して。そんな時期に一緒に仕事ができたのは恵まれていますよね。 次に、音楽の現場を知り尽くした社長が特に力点おいていらっしゃる点について伺いますが――
Q.まず第一に、アップフロントグループ(U・F・G)の組織の特性とは?
レコード会社は大ブレイクしたら大きな利益を生むけど、プロダクションはタレントさんの給料、マネージャーの給料、衣装など、ランニングコストがすごくかかる一方で、歌唱印税や原盤印税だけでは収益が小さい。そこで、早いうちからレコード会社を持つことにしたんです。93年頃は、森高千里やスターダストレビューがメインでしたので、その意味合いは大きかったと思いますね。 モーニング娘。がブレイクした頃から、女性アイドルを積極的にデビューさせていこという方針を推し進めたんです。先ずファンクラブを独立して運営させました。それからコンサートの制作会社も自ら持ちましたね。既に出版社もありましたから、タレントの関連本を出すことも可能です。
Q.第二として、組織の風土(体質)は?
アップフロントさんでは、多方面の事業を展開されていますが―― Q.やはり機軸はタレントプロダクションだと思いますが、 様々なタレントさんを抱えることでご苦労したことは?
そしてもう一つは、授業はもちろん、学校の行事も出るのが大前提。その上で成績が落ちたら、ハロー!プロジェクトを辞めてもらうよっていうぐらい厳しくやっていて、家庭教師をつけて仕事の合間などに勉強させていました。義務教育を受けているタレントのマネジメントが慣れないことだったとは言え、最初は大変でしたね。
Q.反対に、この会社に所属していて魅力的だと思うところは? ウチは基本的に音楽をやっているプロダクションなんで、あくまでもCDやレコードで音楽を世に出して、コンサートをやるっていうのが基本なんですね。
Q.それではここで最近、大組織であるが故、時代のニーズに合わせて、大きな改編が行われたそうですね? 昨年10月、大きな組織替えをして、タレントを抱えるプロダクションを3つに分けたんです。 1.「アップフロントプロモーション」 主な所属タレント:モーニング娘。をはじめとするハロー!プロジェクト、田中義剛、森高千里、相田翔子、林マヤ、中澤裕子、飯田圭織、安倍なつみ ~ほか 2.「ジェイピィールーム」 主な所属タレント:兵藤ゆき、藤本美貴、加藤紀子、小川麻琴、真野恵里菜、高山厳、はたけ、たいせい、久住小春、KAN ~ほか 3.「アップフロントクリエイト」 主な所属タレント:堀内孝雄、ばんばひろふみ、杉田二郎、因幡晃、小俣雅子、篠田潤子、高橋愛 ~ほか 組織の原点・タレント部門を、まずは円滑化しました。
Q.今回の組織の改編で「アップフロントエージェンシー」という会社は、全く新しい会社に変わったんですよね? 実は「アップフロントエージェンシー」という会社は、新しい組織の中で、タレントを一切持たない会社に変わりました。 なるほど、時代の流れに即応しているんですね。 続いて、社長のプライベートについて伺いたいのですが―― Q.社長の趣味は? 音楽ですね。僕はジャズギターが好きで、中学生の頃からプロのギタリストになりたかったですね。ぜんぜんなれてないですけど。 あとは、子どもの頃から車が大好きで、運転が趣味ですね
Q.サーキットなどを走ったりもするんですか? 随分若い頃は、富士スピードウェイを走ったこともあります。 自分の車を持っていって走るんですけど、面白いのはヘアピンカーブを曲がると、ウォッシャータンクから勝手に水が出てくるんですよ、横Gの力で。街中で走る分では、ありえないですよね(笑)
Q.好きな食べ物は? 嫌いなものがないから、逆に好きなものがコレっていうものはありません。何でもOKです。
ここで社員の方に、瀬戸社長と会社についてお話を伺いました。執行役員・社長室長の吉田勝弥さん(48歳)です。 Q.異業種からの転職だそうですが、元々はどういう分野にいらっしゃったんですか?
Q.この会社やこのビジネスの、どんな所に魅力を感じましたか? 銀行って基本的には、良くも悪くもルール通りやることが大切なんです。
Q.銀行員時代の自分から見て、一番変わったというか、学んだなと感じることがありますか?
Q.瀬戸さんって、どんな社長ですか? ものすごくクリエイティブな人なんですよ。音楽のことに限らず、物事の考え方が非常にクリエイティブだし、新しいものも含め、物凄く勉強熱心だなと感じます。 「iPad mini」はもう買ったのかな?出たらすぐ買うんだって言ってましたけど(笑)
最後に、瀬戸社長に伺います。 Q.瀬戸社長は、アップフロントグループは今後、どんなビジョンのもとで活動し、飛躍して行こうとお考えですか?
うちは今、オーディションを2ヶ月に1回、やってるんですけど、だいたい小学校5年生から中学生ぐらいの子が受けに来るんです。 |
取材を通して、株式会社アップフロントグループは時代の潮流を俯瞰(ふかん)の立場で敏感に捉え、冷静かつ大胆に企業運営に取り組んでいらっしゃる会社であると確信しました。 また社長ご自身は鋭い感性とリズム感を兼ね備えたアンテナをお持ちで、又柔軟な構えと先を見据えた太い幹で会社全体を牽引していると敬服いたしました。私自身も勉強になりました。今後の益々のご発展をお祈り申し上げます。
インタビューアー:広報委員(株)スーパーテレビジョン・松崎俊顕
写真撮影:ウッドオフィスグループ(株)岡村宇之
(2012年12月取材)