『広報委員が行く!会社訪問』第16回は、JASDAQ上場企業(取材時。2018年5月時点では東証一部上場))である、株式会社クリーク・アンド・リバー社さまにお伺いしました。
インタビューアー:広報委員(株)タイムライン 磯貝昌彦
写真撮影:ウッドオフィスグループ(株) 岡村宇之
(2012年9月取材)
『広報委員が行く!会社訪問』第16回は、JASDAQ上場企業(取材時。2018年5月時点では東証一部上場))である、株式会社クリーク・アンド・リバー社さまにお伺いしました。
インタビューアー:広報委員(株)タイムライン 磯貝昌彦
写真撮影:ウッドオフィスグループ(株) 岡村宇之
(2012年9月取材)
今回は、クリエイターのエージェント事業をはじめ、教育事業、ライツ事業、アジア展開など幅広く展開されている株式会社クリーク・アンド・リバー社の井川幸広社長にお話をお聞きしました。 インタビュー前に谷事務局長が同席してくださったおかげで和やかな雰囲気ですすめることができました。
Q.沢山の事業をやられていらっしゃいますが、今の事業内容をご説明いただけますか?
に向上させることが出来るか、それをエージェンシー事業の目的として取り組んでいます。 2つ目は、プロデュース事業です。クライアントのニーズや課題を、チームを組みプロジェクトを組成して、作品創りにあたります。当社では、年間1,000を超えるプロジェクトが動いており、映画、TV番組、ゲーム、Web、雑誌等といった全てのメディアのコンテンツ制作を手がけています。また、受託だけでなく自社開発も進めており、クリエイターに利益配分を行うという、新しい収益モデル構築にも取り組んでいます。 3つ目はライツ事業です。クリエイターやコンテンツメーカーが有する権利を収益化する事業です。上海、北京、ソウル、台北にマーケティング拠点を設け、日本の出版物やTVのフォーマットのセールスにあたっています。
当社は日本の書籍を、中国と韓国と台湾に版権をセールスしていますが、1年で約600冊の成約が決まりました。とは言っても、これだけでは大きな収益にならないのですが。 版権セールスだけではなくて、中国の出版社との共同出版や、中国のベストセラーを日本で書籍化したりデジタル化したり、そういったビジネスがどんどん生まれはじめています。先日第一弾として中国のベストセラー作家「六六」氏の『上海、かたつむりの家』をプレジデント社から出版しました。日本の作家が日本だけでなく海外も同じマーケットとして捉えることが出来るサービスを創っていきます。
Q.現在、フリーランスのディレクターなどを支援する最大手の会社でいらっしゃいますが、会社設立以前はご自身もフリーランスのディレクターだったそうですね。 大手の撮影所で友達がアルバイトしていたのですが、たまたま彼が風邪をひいて私が代わりに行ったんですよ。そうしたら、撮影所にいる人ってすごく人間味があって、人情豊かで感化されまして。それで予備校をやめて、撮影所に入りました。それからドキュメンタリーを多く手がける毎日映画社で、映画製作のイロハを教えていただいた1年後にフリーになりました。
Q.フリーランスではどういった仕事をされていましたか?
Q.それから会社設立を思い立つに至ったのはなぜですか? 当時、海外ロケが多くて20カ国ぐらいまわっていました。365日仕事漬け。ディレクターとして絶好調の時のことです。アフリカで難民キャンプの取材の依頼がありました。私の追いかけていたテーマは、社会のひずみやゆがみをあぶり出していく社会派のドキュメンタリーで、難民キャンプの現状を捉えて、世界に問題提起をすればこの人たちは助かるんだという想いがありました。ところが撮影が終わって帰る時に、倉庫に食糧があるわけですよ。現地の人に、「あれ?なんでこれが難民のところまでいかないの」と聞くと、政治的な問題であったり部族間の問題でストップしているのだと言う。それを聞いて、結局自分がやれることはここまでが限界なのかと。
Q.一番最初に今のビジネスモデルを作るにあたって、なにかきっかけはあったんですか?
Q.クリエイティブから会社経営にシフトするなかで未練はなかったんですか? 1年くらいは悩みました。しかし結局はやっていることは同じなんですよ。例えばディレクターは何もないところから、何か自分の琴線に触れるものが見つかればそれでストーリーを考えます。
Q.会社が大きくなるにつれて上場を意識するようになったんですか?
Q.上場をきっかけに変わったことは? 経営に対する意識が変わりましたね。今まで自由にできたことが、上場することで多くの株主の方もいらっしゃるし、そういった意味での意識は当然変わってきます。あとは、資金に苦労しなくてよくなったこと。上場するまでは運転資金で10億くらい銀行から借りていました。上場してすぐに全部返しましたけど。やりたい事業は沢山あり、でも思いだけでは実現できないんですね。上場したことで、ようやく具体的に第一歩が踏み出せました。
Q.設立から今に至るまで、危機はありましたか?
Q.昔を思い出して自分で作りたいなと思うことは? それはしょっちゅうありますよ。でもね、会社を創るということと、映像を創るということは僕の中では結構近いんです。逆に会社の方がクリエイティブな制約はありません。映像だったら映像でしか表現できないですが、会社だったら映像でも使えるかもしれないし、いろんなもので表現できます。だから経営の方が私には面白いんです。それから、私は凝り性なので、また映画をやりはじめたら、経営はそっちのけになってしまうかもしれません(笑)
Q.今の映像業界に対して御社の使命とは?
現したいという段階まで、まだまだサービスをつくらなければいけない。そのために日本だけではなくて海外でもデビューできるようなサービスを早く構築したいと思っています。制作者が映画やゲームを創って、その権利で老後の蓄えが出来るような世界を作りたいし。そういったいろんなチャンスと可能性を広げていく為にも、まだまだやり続けなきゃいけないなと思います。
Q.それでは最後に、映像を志す若者に対してメッセージをお願いします。 やはり意識してもらいたいのは、日本という国を飛び越えたところで発想してもらいたいと思います。視野を広げれば、発想も違ってきます。ところが目の前のクライアントのことばかり考えてしまったら、やはりそこでの面白さとかそこでの価値観しかひっぱれない。その向こう側に、例えば中国があったり、タイがあったり、インドネシアがあったり、そういった文化の違う人たちもあわせて、どんな感動が創れるかっていうふうに考えていったら、何かそこに一本線の通ったクリエイティブが見つかるはずです。今の20代の人たちが今後そういった感覚を持ち始めたら、世界で活躍できるようなクリエイターが出てくるはずです。ぜひ皆さん挑戦してください。
【ブロードキャスティング・グループ 第二ブロードキャスティング・ディビジョン ディビジョンマネージャー 手塚達也さん】
Q.いま手塚さんがやっている仕事はどんなことですか? ブロードキャスティング・グループというテレビ局をクライアントとした部署になります。ディレクターやAD等、映像分野のクリエイターをマネージメントしています。
Q.井川社長はどんな社長ですか? 怖い社長です。まあそれはないですけど(笑)
Q.会社の自慢できるところはありますか? そうですね、我々はクリエイター・エージェンシーであり、クリエイターを支援する会社なので、作り手に対する想いが強いです。エージェント一人ひとりが、クリエイターのお給料や、待遇、働く環境に対して非常にこだわる。一人ひとりの想いが強く現場に反映しているというところですね。
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会社を急成長させ、上場企業まで成長させた井川社長。
その根っこにはフリーディレクター時代から変わらない、温かく強い信念がありました。
映像事業に関わる全ての方々に貴重なメッセージを頂けたかと思います。
インタビューアー:広報委員(株)タイムライン 磯貝昌彦
写真撮影:ウッドオフィスグループ(株) 岡村宇之