株式会社ロボット
- 所在地:東京都渋谷区恵比寿南3-9-7
- 電 話:03-3760-1171
- FAX:03-3760-1347
- HP:http://www.robot.co.jp/
- 代表取締役社長:加太孝明
「広報委員が行く!会社訪問」第13回。
今回は谷弘事務局長も同行して、TVCM、映画、アニメーション、ゲーム、WEBなど、幅広く手がける株式会社ロボットに加太孝明(かぶと・たかあき)社長を訪ね、具体的にどんな会社か、又社長の人となりをお聞きしました。
インタビュアー:広報委員(株)スーパーテレビジョン・松崎俊顕
写真:ウッドオフィスグループ(株)・岡村宇之
(2012年1月取材)
恵比寿駅から徒歩約5分。閑静な住宅街の中にある株式会社ロボット。会社に入るとすぐに、社名にもあるロボット君がお出迎え。そして2012年1月劇場公開の『ALWAYS三丁目の夕日’64』をはじめ、ヒット映画のポスターがレイアウトされています。
――では、早速インタビューを始めさせて頂きます。
Q.まず、「ロボット」という社名がインパクトありますが、その由来は? 創立者で先代社長の阿部秀司が「ロボット」という社名を付けました。実際は、お酒の席で盛り上がって、そんなに深い理由があって付けたのではないというのが真相らしいです。 ただ、よく我々が企画をやっている時に「おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさがある」という言葉がよく出てくるのですが、そういう楽しさの象徴として「ロボット」というモノが潜在的にあったのではないかと思います。また「ロボット」のイメージには、色々な面があって、その中で一番大切にしたいのは、人間らしさという面ですね。このことを基本に色々な夢を色々な方法で実現していきたいと思っています。
Q.次に会社の特徴は? 会社がスタートしたのは1986年で、最初はテレビコマーシャルの企画業務からスタートしました。その後、テレビコマーシャルの制作業務を手がけるようになり、グラフィックデザイン、そして映画やテレビドラマ、WEB、モバイルなど様々なメディアのコンテンツを手がけています。
Q.会社の理念は? 私どもの理念としては、「エンターテイメントを通じて、勇気と希望を社会に与えていく」ということ。それは映画でも広告でも、同じように考えています。 去年、東北を中心に震災があって、我々がエンターテインメントを通してみんなをどれだけ勇気づけられるか、大きな役目があると思っております。やっぱり映画やドラマを見て元気になる時ってあるじゃないですか。そういうものを提供できるといいなと思いますね。
ここで「株式会社ロボット」の概要を――。
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Q.会社設立の経緯は?
ここで社長のプロフィールを… 加太 孝明(かぶと たかあき/KABUTO Takaaki)
1957年生まれ。兵庫県出身。 1979年同志社大学経済学部卒業後、第一企画株式会社(現 株式会社アサツーディ・ケイ)に 入社。JT「キャビン」ではアカウントエグゼクティブとして参加するなど、多くの広告活動に 携わる。1989年に株式会社ロボットへ入社し、創業者 阿部秀司と共にコンテンツ事業の立ち上げに取り組み、映画・アニメーション・ゲーム・携帯ドラマなど様々なコンテンツ製作を行う。 1990年9月取締役、1997年4月常務取締役、2007年取締役専務執行役員コンテンツ事業本部長を歴任。
Q.映画はいつ頃から手がけるようになったんですか? 設立して7年目ぐらいですかね。岩井俊二監督が1年間弊社に所属したことがありまして、『Love Letter』(主演:中山美穂)という映画を初めて制作しました。当初は同じ機材を使って作るものだから、コマーシャルができるなら、映画もできるだろうぐらいの気持ちでやったらとんでもない話で。もう全く別のモノでした(笑)。
Q.どんな所に違いを感じましたか? やはり撮影期間であったりとか、撮影規模だったりとか。スタッフと数ヶ月間、生活を共にするわけですから、各自のモチベーションの継続するためのペース配分など、広告とは全く異なりました。また、広告であれば、クライアントが最初のお客様で、そして一般消費者となりますけど、映画の場合は直接一般のお客様が消費者になる。その辺の感覚も全然違いましたね。
Q.CMと映画のスタッフの違いは? 映画経験者のプロデューサーのほかに、コマーシャルのプロデューサーだった人間をプロデューサーに立てて制作に臨みましたが、やはり習慣とか考え方とか、色々と異なりました。『Love Letter』は完成するまで大変でしたが、非常にいい作品ができ、お陰で我々も映画を続けていくことが出来たと思っています。
Q.最新作の『ALWAYS三丁目の夕日’64』ではセットも細かいですね。当時のあらゆる生活空間で… そうしたことには、とてもこだわっていると思います。 でも難しいのは、例えば扉のガラスがあったときに、演出的にあえて古い、すすけた感じにしたとしても、それを当時を実際に経験された方から、「あんなに窓ガラスは汚くないよ」って。当時は新品なワケですから、本来ピカピカなワケです。そのさじ加減がすごく難しい。デフォルメしすぎてはいけないし、しないと雰囲気が出ない。だから、美術はすごく苦労されたと思います。
社員数は約200人と、かなり多くいらっしゃいますが―
Q.社内のコミュニケーションを円滑にするためにやっていることは?
Q.最近、社内コミュニケーションを深めるためにやっていることは? 今は強いて言えば、忘年会ぐらいでしょうか。忘年会といっても、その年に出来た各部門の作品をノミネートし、その中から賞を選ぶなど志向は凝らしています。最優秀作品には「ロボットアカデミー賞」という名でトロフィーを贈るという、去年はじめたイベントですが、今後も続けていきたいと思っています。
Q.社員から学ぶことは? 弊社の中で優秀な人間というのは、モノを作るだけでなくて、モノをどう売っていくか、あるいはどういうマーケットに可能性があるかっていうことを、非常によく勉強しているなという印象です。そういう人間を見ると、「凄いな」って思いますね。ましてや今、どんどんメディアが変わっていくじゃないですか。正直言って、僕らはもう分からない(笑)。やっぱりそういったところに売っていく、若い子たちのビジネス感覚っていうのは、参考になりますね。
続いて、社長個人のお話を伺いたいのですが―― Q.社長の趣味・特技は?
Q.好きな食べ物は? おいしいモノは好き。でも、コストパフォーマンスが高くないと、許せないんですね。 高くておいしいのは当たり前。安くて旨いっていうのがいいですね。
Q.お酒は飲まれますか? 別に酒豪ではないですが、結構飲んじゃいます。家で飲むのが一番好きかもしれませんね。パソコン見ながら、手頃な値段のワインをずっと飲んでる感じが一番好きですね。
Q.今だから言える失敗談は? イスラエルという国が意外とITの技術が進んでいて、その技術を日本で販売するプロジェクトを作ったことがあります。また、アパレル事業のプロジェクトにも手を出したことがありましたが、ことごとく失敗しましたね(苦笑)。 時々考えることがあるんですけど、人生で、自分が関わってあげた利益と、自分が給料も含めて使った金と、プラマイで比べたらどっちが上なんだろうって。答えは分からないですけどね。
さて、ここで社員の方に、お話を伺いたいと思います。 管理本部の中上川康二(なかみがわ・こうじ)さんです。 Q.入社して何年ですか?
Q.社長の人となりは? 話しやすい社長です。ごく個人的な感想でいえば、少し話しただけなのに、自分のことを分かってくれている、と感じられるときがあって、200人規模の会社でそれはスゴイことだと思っています。よく社内を歩き、いろんな人と話しています。なので普段から相手が何を考えているとか、あるいは何が好きなのかとかを、大体把握されているのだと思います。会社が大きくなるにつれて、各部署いろいろな意見があるワケですが、仮にぶつかり合った時でも、社長が「こうなんじゃない?」と言ったときに、皆が「そう、そう」と着地できるポイントがあったりする。そんな印象です。
ここで社長にもう一度お尋ねします。 Q.社長から社員へ一言
Q.今後のビジョンは? 「ロボット」という会社を30年、50年、100年続いていく会社にしたいといつも考えています。私どもは今、「イマジカ・ロボット ホールディングス」というグループ会社で、昨年の4月にJASDAQに上場しました。手続きなど、いろいろ細かい事が増えましたが、資金調達などの面で不安定感を覚えなくてよい立場になりました。長いレンジで良質なソフトを提供し続けられる体制というか、体力というか、そういうものを整えていきたいな、と考えています。
松崎:「いろいろインタビューに答えていただき、ありがとうございました。『ALWAYS三丁目の夕日’64』、拝見したいと思います。」 加太社長:「絶対面白いので、ぜひご覧ください!」 |
今回インタビューしていくうちに、何故かだんだん社長の「熱き冷静さ」に引き込まれていく感がありました。知性のアンテナと感性のアンテナが自然体で張り巡らされていて、あらゆる事象を柔軟に感受・キャッチしていく力があることに対して敬服いたしました。
今後もロボットさんが勇気と希望を社会に与え続けていくことを心よりお祈り申しあげます。
(インタビュアー:広報委員(株)スーパーテレビジョン・松崎俊顕)
(写真:ウッドオフィスグループ(株)・岡村宇之)
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