【テンカラットという会社は・・・】
大きく3タイプのタレントを抱えている。
[1]マネージメント事業部/アプレ事業部
[2]モデル事業部
[3]音楽事業部
[1]のマネージメント事業部/アプレ事業部には・・・
田中麗奈、香里奈、大沢あかね、知花くらら、豊原功補、ARATA、吉沢悠、高良健吾 等々
いわゆる、我々にも馴染みのある売れっ子ばかりだ。 ちなみに今、特に力を入れているのが新人の育成、そして俳優、モデルなどそれぞれの特性を生かした人材の発掘だそうです。
[2]のモデル事業部の皆様も雑誌やCMでおなじみの方ばかりだ。
[3]の音楽事業部は・・・
メレンゲ、蘭華、JAMOSA
【俳優育成のユニークなところは・・・】
映画監督を招いて、映画撮影のシミュレーションをしている。
そして、俳優達は、その映像を見て、演技をしたものがどういうふうに撮られていたか?とか、自分の演技がカメラを通すとどういう表情で写るか!?とかが分かってくる。
被写体のプロとして、どう撮られるのがベストかとかか研究できる、ということなのだそうです。
つまり“プロとしての演じ方を覚えさせる”のだそうです。
【モデル・女優達の美容上でのケアは・・・】
聞いて驚いたのですが、自社ビルの1、2階にクリニックがあり、所属者達は、そこで体調管理や肌のお手入れ、エステを受けられるようになっているのでした。(そういえば、会社を訪問した時、入り口で見た2フロアのクリニックがありました。)しかも、そのクリニックは、関連会社なのです。
なんと行き届いた経営戦略でしょう。
【所属者のスカウトは・・・】
本人達からの応募もあれば、知人からの紹介もある。また、もちろん社員がスカウトするケースもあるようです。
ちなみに、今、バリバリ売れ線の個性派二枚目俳優の高良健吾さんの場合。 映画俳優を育てたいと思っていた時に九州の知人からの紹介で面接をしたところ、本人も映画に興味があることが分かって、迷わずそちらの方向で育成したのだという。
【社内のコミュニケーションは・・・】
社内のマネージャー間で、意見の相違がないようにミーティングはこまめにやっています。そのせいか、社内のまとまりが非常に良いと取締役の狩野さん本人も自負するところ。
例えば最近の例でいうと、男優、吉沢悠さんが舞台の主役を演じる事が決まった時、その宣伝方法を担当マネージャーが一人で悩むのではなく、一堂が集結して、皆でミーティングする。PR戦略をどのようにしたらいいか、皆で意見を出し合い、そして、決まったアイデアを実行するためにみんなが動く。“何かあったら、ひとつにまとまる”
「これがテンカラットの自慢です」と狩野氏は言う。
【そして、まとまりの秘訣は・・・】
実はテンカラットでは、マネージャー全員が主催して主要キャスト、そして社長や取締役の誕生会を実行しているのです。
その展開がまた、こっていて、誕生会の主役の本人に事前に伝えていなかったり、内容は蓋を開けるまで分からないというサプライズパーティーだったりするのです。毎回いろいろなアイデアのもと行っているそうです。
これにはびっくりするとは狩野さんの弁。
テンカラットの驚きの事実をもうひとつ。
ナント、テンカラットは西麻布にイタリアンレストランも経営していたのです。
店の名は「OSTERIA Quinto Gusto(オステリア クイントグスト)」。 その店では、タレントさんの打ち合せをしたり、また誕生日パーティーもここでやるそうですよ。芸能プロの他に、エステ、レストラン経営と幅広いですね。
【テンカラットの歩み。それは、女優 田中麗奈さんと共にあった】
テンカラットが今日まで大きくなっていた歩み。それは、正に、女優 田中麗奈さんと共にあった。と言っても過言ではないと、狩野さんは言います。
テンカラットは、17年前に開業しておりますが、田中麗奈さんが所属したのは会社設立後、3年目。 当時、高校生だった田中麗奈さんは九州でモデルをしていました。
晴れて高校在学中、映画女優として始動しました。 そしてデビュー作品『がんばっていきまっしょい』がいきなり各映画賞を 総なめにしていきました。 この時、テンカラット首脳陣は、CMと連動したプランを考案し、展開していきました。 それは、映画女優 田中麗奈のデビューと新発売のジュースの商品デビューをからめた戦略でした。 舞台に立つ女優がデビューするコマーシャルは、大先輩の女優 加賀まりこさんとの絡みもあり、評価の高いCMになりました。田中麗奈さんは映画女優デビューとCMの連動で一躍、時の人となったのでした。
この女優を生み出す為の緻密な戦略が功を奏し、田中麗奈さんは順調なすべり出しを果たしたのです。 その後の田中麗奈さんが女優として不動の地位を築いていき軌跡は皆さんも知るところでしょう。
※田中麗奈さん 主要作品群※
2008年「山桜」
2008年「犬と私の10の約束」
2005年「容疑者 室井慎次」
2000年「はつ恋」
1998年「がんばっていきまっしょい」
こうして田中麗奈さんが女優として全国に知名度を上げるにつれて、不思議(というか当然ながら)その所属事務所も少しずつ知名度が上がっていったわけです。 「テンカラットって、あの田中麗奈の事務所だっけ!?」と業界内でも会社名を知る人が増えていきました。
こうして、一人の女優の成功が雛形となってスタッフも会社も成長しますし、次のスターも育っていく。作戦の立て方が見えてくるということらしいです。
そして、田中麗奈さんに続いて香里奈さん、知花くららさん、男優では吉沢悠さん、高良健吾さんと少しずつ、有名スターを生み出していくことになっていったのでした。
【狩野直人ヒストリー】
では、ここで今回、快く取材を受けていただいた取締役 狩野直人さんの今日までのストーリーとそのポリシーをQ&Aで伺いましょう。
Q.この業界へ入るきっかけは?
A.映画監督を目指していた学生時代に代表の小林氏と知り合い、某TV局でADのバイトを一緒にやっておりました。その後、自分はADのアルバイトを辞め、自主制作でドキュメンタリーを撮り始めていたのです。そんな折、知り合いから映画の宣伝をしないかとの誘いを受け、映画PR会社に飛び込みました。
「なので自主制作のドキュメンタリーは未完成のまま(笑)」最初に取り組んだ映画が、滝田洋二郎監督の『コミック雑誌なんんかいらない!』(制作:配給 ニューセンチュリープロデューサーズ)という映画で、チラシを作ったり、ポスター作って地方の劇場へ送ったり、はたまたフィルムトレーラーを運んだりと超多忙でしたね。
映画宣伝マンとしては、その後『マリリンに逢いたい』『帝都物語』と係わりました。
Q.マネージャー転向のきっかけは?
A.『マリリンに逢いたい』の宣伝マンの後に、フリーで俳優の加藤雅也のパブリシティ担当をやるようになった後、モデルであった桐島かれんの事務所に誘われて、サディスティックミカバンドの宣伝を依頼され、その後マネージャーを努めることになりました。
Q.その後は?
A.はい、桐島かれんのマネージャーをしている時、営業しに行った先であるWOWOWのプロデューサーの方からキャスティングプロデューサーの仕事を依頼されました。
手がけてきたのは、『女優霊』『ヘルプレス』『弾丸ランナー』『ピンポン』など多くの新人監督のデビュー作に携わってきました。そのキャスティングプロデューサーをやってみて、感じたことは “映画俳優”といわれるような若い俳優は少ないなぁということです。その時の経験から映画俳優を育成しようと思って高良健吾に力を入れていくことになりました。
現在、NHKの連続テレビ小説『おひさま』に出演中です。今後も、映画俳優としてのステージを積み重ねて行くつもりです。
「サントリー」の金麦のCMでも、映画俳優を意識した上のプランニングのご提案がありがたいです。
Q.そして、現在のテンカラットへ?
A.1997年。その数年前に、代表の小林栄太朗氏がテンカラットを設立していまして、一緒にやらないか?と声をかけてくれたのがきっかけです。
Q.そんな狩野さんの趣味といえば?
A.やっぱり映画鑑賞ですね。DVDを家で見る事が多いですけど、平均すると1日、1本は見ます。
Q.スポーツは?
A.特になしです。もっぱら観る方です。最近では時間があれば歩く様にしています。
Q.旅行とかは?
A.あまり行けませんが、京都が好きです。
Q.日々で心がけていることは?
A.人間関係。やっぱり、コミュニケーションは大事ですから。
Q.もともと映画監督に憧れてこの世界に入ったわけですけど、今現在は監督になる夢は?
A.いやぁ、いろいろな監督に会っていくうちに、やっぱりこの人達はスゴいなぁと思い知らされました。だから、もう無理ですね。時々、1本撮ってみたら?なんてシャレで言われることもあるんですけど、もう評価が怖いのでやりません。
最後にテンカラットのデスク・土屋さん(ツッチー)に会社について伺ってみました。
Q.デスクとしてのご苦労は?
A.全体の動きを把握して動いている為、スタッフやタレントが増えるにつれ大変だと思う事もありますが、忙しいほどやりがいを感じます。
Q.テンカラットの良い所は?
A.チームワークが良いところですね。自分の担当以外のことでもみんなで助け合い、乗り越える。結果が出た時の喜びは何倍にもなりますし、次の目標の原動力になります。
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