株式会社 ザ・ワークス
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「広報委員が行く!会社訪問」第38回は、『唯一無二のものを作りあげる』をコンセプトにテレビやラジオ番組の制作、映画、演劇の企画制作などを手掛ける大手番組制作会社「株式会社ザ・ワークス」の霜田一寿(しもだ かずひさ)社長を訪ねてお話を伺いました。
インタビュアー:広報委員 (株)B・B 高橋 欣彦
写真撮影:広報委員 WACホールディング(株) 岡村 宇之
(2019年2月取材)
「株式会社ザ・ワークス」インタビュー 虎ノ門ヒルズの近くにあるオフィス街の一角に位置する「株式会社ザ・ワークス」さんにお邪魔します。 それでは早速インタビューを始めさせていただきます。霜田社長、よろしくお願いします。
Q.まず最初に霜田社長にご質問なのですが、ザ・ワークスという会社の名前の由来からお聞かせ願えますか? 前社長の故・前原雅勝さんが、そこに「THE」が付いていることに意味があるんだと言っていました。WORKSっていうのは『シゴト』とか『作品』っていう意味ですが、前原さんの解釈では「THE」を付けることによって「“あの仕事”“あのワークス”っていう意味になる」って言ってたんですよね。つまり、スタッフそれぞれの仕事だったり作品が、独特の唯一のもので、他とは違うという区別ができるような仕事をしなさいっていう、するんだっていう意志みたいな感じで捉えてます。僕らにしかできない仕事っていうか。 「THE」が付くことによって唯一の作品になるんだっていう。
自分達にしかできない仕事を追求するって素晴らしいですよね!
Q.現在、社員は何名ほどいらっしゃるんですか? 180前後ですね。200人にはまだ到達していません。
Q会社は設立して何年目になりますか? 会社は今年で35年目になります。 僕が入ったのが1995年なのでまだ僕は24年ぐらいです。
主な作品名をご紹介します。ドラマ制作が中心です。
Q.事業内容をお聞かせ願います。 現在はほとんどがテレビ番組の受注制作です。その他にはコンテンツ販売をする部署があったりとか、通販の制作をする部署があったりとか、自社制作も一部行っています。
本当にいろいろと手広くなされていますよね。 Q.霜田社長がザ・ワークスに入ったきっかけを教えてください。 僕は元々、東通企画さんの契約でドラマ畑中心にやっていました。弊社への入社のきっかけは、東阪企画さんの『裸の大将』という番組のプロデューサーをやっていた時です。当時弊社の副社長だった故・中山史郎監督と仕事をご一緒していました。その最中、ある日突然、会ったこともない前原さんっていう人にTBS前の喫茶店に呼び出されて「おまえ、霜田か?」って。「来月からおまえ、うちの会社だから」って言われて。拉致同然でこの会社に入ったっていう(笑) これは皆にも言ってるんですけど。
拉致同然ですか(笑) 僕が社長になったのは、前社長の前原さんが4年前に急逝された時です。僕が社長になった理由は特にないと思っていました。 これは後日息子さんから聞いた話ですが、亡くなられた当日の朝、検査に行っていた病院で息子さんに「今年で俺、辞めっから。霜田に後は任せるから」って言っておられたと。遺言みたいに。
なるほど、霜田社長にお任せすると。それは大変でしたね。 Q.社員とのコミュニケーションで霜田社長が気をつけていることはありますか? できるだけ論理的に話すっていうことに注意しています。あまり好き嫌いでものを言わないようにしようと。当たり前のことですが、クリエイティブな会社だけに、個々の面白い、面白くないっていうことの基準だったりとかっていうのは、個別にあるべきものだと思っていますから。僕の中に無い価値観を否定せずに、合理的、論理的に物事の話をするように心掛けています。
Q.霜田社長はどのような人材を社員に求められていらっしゃいますか? エネルギーが強く、自分の頭で考えて自分で行動できる人を求めています。 そういう人間が増えてくれるといいなと思ってます。
Q.番組の話になるのですが、現在どれくらいの番組を制作されていますか? レギュラーで23ぐらいですかね。
23本のレギュラーですか。すごいですね! レギュラーといっても、今の情報バラエティーの1時間番組には何社も参加しているんですよ。担当が隔週とか6週間に1本とかの番組もあります。年間最低12本ぐらいあれば、もうレギュラーでカウントしています。 ドラマは逆に単独での受注です。他社と一緒にということは殆どありません。連続ドラマは1クールごとに受注する会社が替わってしまうので、年間3クールくらい。ゴールデン2作品、深夜1作品とかの、9本から12本くらいのものをやっています。それ以外に単発番組っていうのは不定期にたくさんあるので、それを入れるとどういうふうにお答えしていいのか分からない、数を数えたことがないんですよ。
もう数えきれないですよね、そこまでくると。 Q.社長になられてからいろいろ苦労されている事があると思います。現状で苦労されている事って何ですか? 意外だと思いますけれど、実は制作実務ではなく労務管理なんですよね。ものすごい大変で。いい仕事をするのは当然ですが、コンプライアンスを遵守するとか、時代的にもダメなところはどんどん是正していかないといけないですから。 僕は40年弱続いている会社の第二世代であり、突然会社を引き継がなければならなくなった2代目の立場としては、クリエイティブを最優先に考え、会社を成長させつつ、こういった、社会情勢と乖離しない企業文化を育てていくこと。そしてそれを次世代に渡していくこと。それが一番苦労としているところです。社長就任以来、まる5年目を迎えますが、最初の中期的な成果っていうのは、そろそろ出始めてるなって思います。
Q.今までで、仕事で印象に残っているような、楽しかったことはありますか? この会社に来て最初にやらせてもらった、テレビ朝日の深夜30分枠で2クールの連続ドラマ『せつない』っていう番組です。仲間由紀恵さん、竹内結子さん、平井堅さんが出ていたりとか。要は、割と制作会社の裁量で、この先面白くなりそうな人たちをたくさんキャスティングできたし、その人に合わせたシナリオが作れたっていう時代の最後の辺りなんです。あまりにも皆さん有名になってしまったので、DVD化はされてないんですけど。
凄いメンツですね。 一番盛り上がったのは、山崎まさよしさんに主演してもらった1998年の作品『奇跡の人』ですね。だから20世紀最後にやってた作品は、すごく自分の仕事としては印象に残ってます。そのときは若いエネルギーだけでやってたので。 あとは『ドクターX』のエグゼクティブプロデューサー、テレビ朝日の内山さんと出会うきっかけになった、2000年の『つぐみへ』という作品ですね、それも印象深いです。『渡る世間は鬼ばかり』に初めて視聴率で超えて、とても嬉しかったんですけど、僕は現場がものすごくつらくて。
何かあったのですか? 参加していただいた方々の思いが強かった分、なかなか折り合いがつかないことも多くて。でもそれが内山さんとの出会いにもなったし、20年くらい前の作品の方が自分としても思い出深い作品が多いですね。
やっぱり90年代の時のほうが面白かったんですかね。 制作会社は、その頃のほうが自分たちの裁量権の幅が広かったので。
それでは、ここからプライベートの質問をさせて頂きます。 Q.趣味や、普段はどのように過ごされているんですか? 仕事が趣味みたいなものなので、映画や番組や本を読むみたいなことが趣味と言えるのかもしれませんが、曖昧です。ゴルフは、もう10年ぐらいやってなくて。忙しくなっちゃったのと、前社長が亡くなられたりとか、それどころじゃないことが続いた10年だったんで、ゴルフはずっと復帰できないまま来ちゃってます。 唯一自分の時間でやってて、全く仕事と関係ないものはスキーぐらいです。
今年、スキーには行かれたんですか。 行きましたね。 去年の1月に、あるスキー場で前十字靭帯を切ってしまったので、そのゲレンデに復讐しに行かなきゃいけないと思ってたんです。 怪我をした日は天気も良くて、ゴンドラに一緒に乗ってた70過ぎの お爺さん2人がものすごく元気で、「あそこの斜面を、何キロぐらいで滑るんだよ」って言ってたんです。ちょっとメラメラっときて後を追いかけて行ったら、ぱーっと飛んで、足が見たことない角度に曲がってました。だから今年、あのゲレンデに絶対に復讐しに行かなきゃいけないと思ったんです。
なるほどリベンジですね。 では、ここから副社長の天笠ひろ美(あまがさ ひろみ)さんに交代していただいて、少しお話しを聞かせていただきます。 Q.ザ・ワークスに入社されたきっかけはなんですか? ワークスの前役員の方からお誘いいただいて、ワークスに入りました。 前社長の前原とやってきて、5年前に前原が亡くなった際に、霜田さんが社長となり、私が副社長に就任しました。
もう相当長いですよね。 そうですね。もう30年。ワークス30年、笑ってしまいますよね。
30年!すごいですね。 Q. 天笠副社長は、今はどのような仕事内容をメインにしていらっしゃるんですか? 基本、テレビ局との交渉事を必要であれば行ってしますし、レギュラーはもう後任のほうに渡していて、『スクール革命!』だけちょっと関わってるくらい。日本テレビがメインですね。 霜田はドラマ担当なので、バラエティーチームは私が相談を受けたりしてます。
忙しくないですか。 いや、暇ですよ。忙しいときはトラブルがあるときなので、私が暇でないと駄目なんです。本当に上の人間が暇なほど、会社っていうのは安泰なので。そんな感じです。
Q.ところで、ザ・ワークスはどのような職場でしょうか? そうですね、うちは年数的には老舗になってしまってるんですけど、やっぱり従業員の顔は常に見れる職場でありたくて。 出社してあいさつをして、きょうは体調いいかな、悪いかな、まさか昨日徹夜してないよね、みたいな会話を常に持って。 一人一人の顔が分かるような環境づくりは、霜田も含めやってると思います。声を掛け合うみたいなそういう会社です。
いいですね。 でもね、なかなか今の若い子は、こうやってイヤホンしてるから、おはようって言っても聞こえないのよね。だからついこの間「(間近で)おはよう!」って言っちゃったけど。それがパワハラにならなきゃいいですよね。 でも、やっぱりあいさつはできないといけないので、朝は必ず挨拶をします。特に私なんか、もうこの会社でうちの経理の常務と同じ一番の年寄りなんで、口うるさく(笑) あいさつと、あと植木に水をやってます。植木が育つところは社員も育つっていう、私のちょっとしたポリシーがあるので。
植木が育つところって素敵ですね。 やっぱり明るいでしょ、植木が育つ所って。光が入って、水があって、いっぱい食べてっていうのが、私の中でちょっとこだわりがあるんです。 植木が育たないところは会社も育たないっていうので。1階に行っていただくと、植木がいっぱいあるんですけど、週末に私が水をやってるというような会社です。
素晴らしい会社だと思います。そういった事が、人間関係を円滑にするような秘訣にも繋がってくるという事ですね。 Q.霜田社長はどんな方ですか? 霜田さんって実は私より少し若いんですよね。私より全然熱い人で、でも、熱いからこそものすごく勉強家で。社長室に行くと分かるんだけど、ついこの前まで『ドクターX』やってたから医学書がずらーって机の上に並んでたのに、社長になるとやっぱり社員のことが一番大事なことだから、今はずらーっと労働基準法の本が並んでんの。ものすごく勉強されるのよ。熱くて、闘うためにはベースを知らなきゃいけないってものすごく勉強して、なんかあったら闘ってやるっていうタイプ。
闘う男ですね! プロデューサーはドラマのプロデュースで本作るから、ぜひそっちで作家やって、ペンネームで本出して稼ごうよって言ってるんだけど。ちょっとそこの分野に手を出せないっていうぐらい、社長業が忙しくなっちゃってるから、本当はやりたいんだろうけど。やるとなったら闘う男なんで。 一見クールな感じですが、エネルギーがとても溢れている人なんですよ。
なるほど。 Q. 天笠副社長の、今後の展望や目標などはありますか? 私の髪の毛赤いでしょ。これ、私が先週還暦を迎えたので、還暦カラーにしたんです。まだまだ気持ちでは負けてないけれど、やはり会社は上層部が年取っていると、下はいきいき出来ないので、だから新しいシステムが出来たら早めにさっさと会社を去るっていうのが展望です。ネガティブな意味じゃくなくて、世代交代っていう意味ですね。
お忙しい中、いろいろとインタビューに応えていただきありがとうございました。 では再び霜田社長にインタビューをさせていただきます。 ザ・ワークスって会社で仕事すれば、面白いし、うまく物事がいくねっていうスキームを提供できるようになりたいですね。やりたいことは人によって違うので、それが実現可能な会社であるべきだろうっていうふうに思ってます。そのためには余力も実力も才能もお互いが共有できる形になれる仕組みを提供することが大事なんだと思います。
Q.今後、この業界を目指している方へ何かアドバイスなどがあれば。 これは、新入社員のオリエンテーションでも毎年言ってるんですけど、この仕事が「向いているか」「向いていないか」ということを、あまり早くジャッジをする必要はないと思うんです。 あまり焦らず、この業界と付き合ってくれたらいいなって思いますけどね。昔みたいにひどい目に遭わないですからね、今は。
35年の歴史をもつ「株式会社ザ・ワークス」さんがたくさんの番組制作をしている社内を拝見でき、私自身とても有意義な体験ができた取材でした! |
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